78回 未来構想フォーラム

これからの市民運動

2008.10.22 東京都労政会館    メモ&Photos
開会の辞 大脇代表             

市民国連は、市民の立場から、国連機関と共同し、グローバルな問題解決に挑戦する。
国連本部の方々は、クローバルな問題の深刻さがわかれば判るほど、国連が国益を
巡る熾烈な駆け引きの場でもあるので、なかなか問題解決が出来ず、フラストレー
ションが溜まっている。事務総長は市民グループとの直接対話を求めている。
どのような市民運動であるべきか、6月から3ヶ月間、隔週ペースで、討論し、
アウトラインがまとまってきている。その一部を拝読したい。12月23日に東京女子大
で市民国連フォーラムを準備している。事務総長室(アフリカ担当,TICAD国連代表)
の池亀氏を迎え、国連と市民との対話をもっていきたい。その前の前哨戦として今回の
フォーラムを開催することとなりました。
基調講演:伊勢桃代先生(国連大学初代局長

日本の出番

ーマが大きいので、どこから話していいのか、できるだけ明確に話したい。
今、アメリカ、ニューヨークは経済大恐慌で大変な状況である。ブッシュの政
治力の届かないところで起こっている。今の時代、経済の問題は大変なとこに
直面している。

世界は大転換しなくてはいけない。新しいやり方、考え方を実行していくため
に市民運動しかないと考える。大転換と言うのは、例えば、アメリカ建国の歴
史は日本と違う。資本主義を信奉している。

これからは一極。欧米、東欧、開発途上国。三本足の上に成り立っていたのが、
冷戦がなくなり、いろいろ希望を持った。一極体制主義になり、アメリカの強
い力、一本足のいびつさを感じる。今やそれが崩れている。一極アメリカだけ
では世界を動かすことができない。非常に残念。アメリカに頼ってきた。世界
的地位が落ち、弱くなった。そのため世界に影響が起こる。「あの国に言えば
味方してくれる」、と言うリーダーシップが崩れている。


そこで日本に何ができるかたくさんあるが、それに答えられているのか。戦後
60年間、国の目的、理念、哲学がしっかりして来なかった。市民国連を考える時、
「日本人は、日本の社会をどうしたら立て直してゆくか」ということから始め
なくてはならない。「世界のために何ができるのか教えてください。」そう考え
る時、アメリカの力が落ちている中で、日本が出番だと思っている。
 
当面の日本の2つの課題

これには、二つある。「一つは、日本はすばらしい国である。」それを日本の
国民は分かっていない。世界から見てすばらしい財産がある。自覚してゆくこ
とが大事。日本では成田空港で、何の心配なく受け取れる。リムジンに乗ると、
頭を下げてありがとうと言い、一層懸命に働いている。町工場では、夜遅くま
で、音が聞こえてくる。それを粗末に扱ってきたのではないか。その自覚をも
つ。素晴らしいものを持っている。

二つ目は、歴史の認識の問題である。日本は国内で戦争責任が無かったと見る。
世界から見ると、欠いている。それが政治の立場に立っている人々に多い。
アジアの平和に奔走している人々もいる。悪かったことはきっちり認めて、
行動する。それが日本の精神の元。それを否定している。アジアとの対応は
必然のこと。大脇代表が理念、目的を言っていたが、その上で、国際的活動を
する。どのような活動を行うか。

存在感の薄い日本

ニューヨークから日本はあまり問題にされていない、とつくづく感じる。日本
の存在があってもなくてもよい。私が国連にいた時は、違っていた。国連、64
年、そこには、大統領、総理、所信表明には国連はこういうことをすべきであ
るとスピーチに盛り込んで、192カ国最高の人が話される。去年、どの方が来
られますか。日本はどうしていますか。誰が来るのか分からない。常任理事国
となる国が考えられない。プログラムができた上で、麻生首相が一日だけ来ら
れた。政治のあり方、国際的、国内的の両方が大切である。グローバル化とし
て実行していない。

どのような活動をするか?

どのような活動をするのか。地球市民の関心を高める。日本人の関心が低い。
地球市民はまず、自分から見る。アメリカでさえも、国際的感覚を持っている
ものは多いとは言えないが、何かあると大変な議論をする。シースバン(TV番
組)何チャンネルも持っていて、国会で行われているものを発信し続けている。
現代の問題を取り上げ、市民の声をどんどん取り上げる。日本にはそれがない。
メディアを作って下さる企業、どこかで作っていかないとダメ。日本はメディ
アの記事は不十分。ニューヨーク・タイムズはすごいページ数であり、インター
ナショナルの記事。最初、ひとつひとつの記事は6000字ある。大変な情報量で
ある。それだけの力がある。細かく報道している。市民の国際情勢の理念を持つ
必要がある。

渡辺大臣は、国連のために努力をしているが、これは選挙の一票にもなら
ない。国民の姿勢。国際情勢の理解を深める。

市民の責任

グローバル社会という国際情勢。どうするか考えなくてはいけない。日本の政
策は、調査、研究、活動は外交、外務省それ以外は素人。専門のことは口に出
せない。日本のどこでもある。学者以外ダメ。グループも決まっている。外の
人は口を出さない。これを崩す必要がある。外務省どうしているか。情報がな
い。市民が知ることが必要。あまりにも欠如している。外交は何の為にやって
いるのか。市民のためであって、外務省のためではない。知り、チェックする、
そういうシステムがない。どう作っていくか。市民活動が難しいこと。正確な
情報でやっているとは思えない。正確な情報を持ちにくい。市民の責任がどこ
にあるのか。あいまいである。

正確な情報と発信が大切

市民国連組織を作る。大切なことは正確な情報を集めて、発信することが大切。
議論をすることを重ねていく。小学校で議論していない。傷つきやすい。変な
人に見られる。議論と人間性とは違う。意見は生半可であるかも知れないが、
それを変えて成長していく。それが教育に欠けている。リーダーシップが国際
的に取りにくい。中・高教育に関わっている。強くなる。強くない人は何か云わ
れたら傷つきやすい。

小柴さん、大学の寮で、お風呂の向こう側、湯気のたっている向こうで教授の
話を聞いたこと。「小柴はだめだから試験を受けさせるな」と言っていた。
子供たちにそれをどう思いますか。その先生ひどいと思いますか。批判どう
思いますか。それが力の源泉。俺は勉強してやるぞ。そしてノーベル賞を受け
る。人がそう言っているんだったら、そのように考えてほしい。市民が関与
して政府が決める。国連は市民を代表しているのか。(註1)


市民の関与の必要性

192カ国、一国一票で決める。いくつの国が市民の代表と言えるのか。疑問が
わき上がっている。ソマリアの問題ではなく、日本でも考える。外務省はどう
いう態度をとっているのか無知である。外務省をつぶすことではなく、活性化
する。日本の中にコンセンサスがないから活力が出ない。慰安婦問題、カナダ
決議。ヨーロッパ決議。国民はそれを知らない。外務省は立ち向かえない。国
内のサポートがあると言わない。村上談話を言うが、後の大臣は関与していな
い。何を言っているのかわからない。信用がなくなる。政治のリーダーシップ
があるとは思えない。市民の関与が外務省を強くする。

もうひとつは、市民から見た解決策と上から見た解決策が必ずしも一致してい
ない。恨みを受けている人。土地に住んでいる人。市民の女性は提言している
か。実現しにくい。市民がひどいことをされたこと。共同して和平の交渉の
プロセスに入っていく。

市民から見た政策。若い人ためしてもらいたい。反対だったらどうかと創造力
をためしていただきたい。 (註2)

連携して国・世界を動かそう!

いろいろあるが、NGO・NPOとの連携を取る。ヨーロッパではNGO・NPOが共同している。
ヨーロッパの哲学の一致がある。アジアから発信するために連携をどうするか。
日本はどうして世論がバックアップしてくれないのかとタクシーの運転手は
カンカン。いろいろと怒りをぶっつける場所がない。
それほどの意見、能力、力がある。世界には珍しい。それを力にして、国を動
かす。永田町から国を動かしているのではない。

具体的なこと、どういう行動をとるか真剣に考えて市民国連の発足にしたいと
考える。思っていることを申し上げました。
                 文責(大脇・広報部・杉山、溝垣)


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「参考とすべき考え方」(註1,2)

☆「衰退に至った文明の歴史の中に、必ずしも実現することに 成功しなかっ
  たとしても、事態を収拾する別の解決法が発見されたことが認められる。
  それが“協調の理想”である。その精神が現代に現れたのが、国際連盟と
  国際連合である。国連そのものは、世界のそれぞれの国の人民とは直接つ
  ながっていない。政府を通じてつながっている。人民に直接つながる国連
  が必要である。」  A. トインビー

☆ 「私は、あらゆる利害関係者のお役に立てるよう、精力的な活動に努めます。
  特に、国連を一層人々に近づけるための取り組みの一環として、私は市民
  社会に対話の道を歩ませるよう、全力を尽くしていく所存です。また,人道
  援助機関,財界,そして世界のその他,市民社会要素に対し、援助と参加を働
  きかけていきます。それが国連のためにもなるからです。」
                  潘 基文 国連 事務総長 就任演説


大脇先生,               

第78回未来構想、市民国連の会、大層有意義で盛会であったこと、お喜び申し上げます。
4人のパネリストのお話、それぞれに高い見識で語られ、感動的でした。私の感想は
いつもの通り偏った感想ですが、ご参考までに申し上げたいと思います。

大脇先生のお話は、人としての生きる道といった面の高尚なお話でしたが、たまたま
添付の教育通信に「生きる意味」という短文を書きましたので、添付でお送りします。

要旨は、ネズミもミミズも人間も、生きる意味の半分は、子孫に命を伝えることで
あるが、それがエネルギー・地球環境・食料問題の三重苦で、石油ピークの人類生存
の危機が訪れること、その危機を乗り越える一つの手段として、添付の教育通信
123号もその処方箋の一つである、としました。

次に、一色先生は、教育通信の毎号に(122号123号にも)「美学シリーズ」
として、登場して頂いているので、よいとして、伊勢先生の、日本と日本人の長所と
短所についての豊富な実例は大変参考になりました。年のせいで、多くは覚えていま
せんが、一例を挙げると、これからの国際化でますます大事になる英語教育について、
国語教育がおろそかになるという反論があるといった指摘がありました。

これについては、両方の意見が正しく、私案としては、英語の歌を(韓国語、文語体
の歌、いろはかるた、なども同じ)小さいときから、土日にあそびで(意味などは二
の次で)教えるのがよいと考えます。どんな制度、規則、にも必ず長所があれば短所
もあり、短所を補い長所を延ばす多次元の方法があることを見出すべきでしょう。

最後に、山元先生の、休耕田の活用は、2,3千年来の百姓の伝統をもつ(木曽義仲
と挙兵して一時権力に近づいて大失敗した)海野としても、大賛成で、エネルギー・
地球環境・食料問題の三重苦の解決策の第一歩となるべきものです。ウクライナとの
提携のようなことも考えて、何としても、不健全なアメリカの一極的食料支配は脱却
すべきでしょう。今がそのチャンスです。

最後に、市民国連の市民レベル政治団体化の要請もあったようですが、私としては
AかBかといった二者択一的な政治活動は不毛で、それよりは、金貸し経済(自由
資本主義金融経済)とギャンブル経済の二極的経済でなく複雑系科学の手法(多次
元主成分解析など)で混沌の法則性を絶えず追求する経済機構を政府が持つべきでは
ないかと考えます。現在は、日銀あたりの半ば経験に基づいた直感で政策が決まって
いるようで、大変危ない気がします。 海野和三郎(東大名誉教授・天文学)

教育通信122号   教育通信123号

未来構想戦略フォーラム、出版部長の杉山です。
いつも、お世話様です。

昨日、国連大学初代事務局長の伊勢桃代先生から「これからの市民運動」と題しまし
て講演をいただきました。

詳細は、ホームページ上で近々に要約を掲載いたしますが、昨日は日本という国が、
国際社会でこれから生きてゆく上での様々な提案がなされました。

伊勢先生の講演で、とりわけ、私の記憶に残ったのは、国連での日本の位置の相対的
な低下です。これは、日本自身による努力がなされていない事にもよるという事です。
具体的に言うと毎年、9月の第2週に、国連においては各国の大統領、首相が所信表
明演説をするのですが、今年の例ですと、その時期が近ずいているのに日本の誰が所
信表明演説するのか、わからないというのです。国連で、どのような事が行われて
いるのか、日本は大変な支出をしているので、もう少し関心を持って良いのでは
ないかと思います。、

伊勢先生の講演で記憶に残ったのは「シースパン」というテレビ・メディアの事で
す。先生はアメリカに行くと、直ぐに、このチャンネルを見るという位に注目をして
いるという事です。これは、議会の動向をオンラインで報道してくれております。ま
た、現在、アメリカが直面する課題やテーマについて、市民はどう考えているかを、
放映しているものです。日本にも、こういったメディアが出現することを伊勢先生は
熱望しておりました。これからの伊勢先生の活躍を祈念しております。

大脇様、事務局の皆様            
10,22の貴重な講演会有難うございました。市民国連を私は、幕末の志士達のよ
うだと思います。もう永田町や役人や専門家に任せてはおけない、民主主義になって
から63年、成熟した民主主義の世界は、市民が立ち上がるのです。幕末と同じ一般
人が時代を主導する時が来たと感じました。正に歴史的な会だと思いました。
 スベトラーナ先生の話に感動し、大変驚きました。日本の文化がこんなに素晴らし
いものだとは思いませんでした。私は文学部卒ですが、今まで一度も日本の古典がこ
んなに賞賛に値するものだ思ったことはありません。今から伊勢物語を読み返してみ
ようと思います。また、先生の祖国での大変な状況を知り、滞在中に何かお手伝いし
て差し上げることができればと考えております。     
           荒川 章子(作家・東大・仏文卒)




第1部 基調講演


第2部 パネル・ディスカッション


第3部: 特別ゲスト: スベトラーナ・リバルコ教授 ウクライナ


懇 親 会