wordメモ はこち ビラ 当日の資料 その後の記録
     第62回未来構想フォーラム  

 「人財にとって日本とは何か」 
2007年5月25日 武蔵野南コミュニティセンター
主催NPO法人未来構戦略フォーラム 後援 武蔵
賛 財団法人人間自然科学研究所
講師:野田一夫(財)日本総合研究所理事長、参加者:48
フリーディスカッション:小松昭夫氏、(財)人間自然科学研究所、野田一夫 氏

大脇:野田先生からはいつもいかにビジョンが要か学びます。財団、大学をいくつもお創    になっておいでです。長年に渡りご指導いただいています。

野田:自分が青年時代に人生が180度変わった。戦前・戦中・戦後を体験した数少な    い世代と思う。戦争が終わって振り返ると貴重な時代であった。語弊がありますが    日本と現在の北朝鮮のどこが違うのか。城山三郎君はずっと純粋で、進んで海    軍練習生に志願した。日本の軍隊が、いかに程度が低いか実感をした。国家権    力はどの国でも必要ですが、無知で横暴な権力の下で、いかに国民が虐げられ    るか身をもって知った。生き残った8000人は軍閥に支配されるほど単純であった    かもしれないが、今の日本人よりはるかに誠実であった。冷戦がすでに昭和20年    後半には起こり始めた。対日占領政策は21年には大幅に変わった。これは当時    の日本人に希望を与えた。せめて戦前並みの生活をしたい。

  人間が希望を持った、経済学者が言っていることとは関係なく、原動力であった。  朝鮮動乱を契機ににわかに日本が復興しました。わずか5年ぐらいの間にもはや戦  後ではないといわれた。30年代、日本経済は再び弾みがついて、経済が成長し   て今日の経済大国日本ができた。経済学者は過去のことについて説明させると理  屈が通るが、将来は当たることが無い。将来のことを予測するには未熟な学問が   経済学。例えばテロは経済現象ではないが、疫病、地震、そういうものまで入れな  ければ経済の予測など出来ない。経済の現象だけを予測するだけに、経済は予  測できない。

理科から文科に変わったときに、社会科学はなぜ科学ですかと質問したときに(先生に)絶交させられた。マックスウエーバーを非常に尊敬しました。自然科学とは違う方法論が必要と思った。マルクスはきわめて独断的だと思った。非常に有名な本に、プロテスタンティズムの倫理と資本主義、一言でいうと長い中世の中で、どこの小さな町にも大聖堂がある。これが12世紀、14世紀に建ったといわれると、なぜあの貧しい時代に出来たかというと、カソリックが強い力をもっていた。宗教がもっていた力です。金持ちはやんごとない生活をしていた。来世はどうかということに懸念をする。それを宗教はうまく利用した。教会に行って、教会に寄付をする。少数でも相当な蓄積になる。貧乏人は、毎日はなにも面白くない。教会に相談にする。一人ひとりは少額でも。簡単に言えばそういうこと。

近世が始まると、宗教にも大きな変化がある。教会の機能なんて限られている。というのがプロテスタント。時代は大きく経済社会が変わりつつある。働いた人は、所得が多くなる。つつましく暮らせと。剰余を私利私欲に使わないということによって。膨大な資本蓄積が出来た。宗教が、富というものを公然と是認した。これはある時代のこと。マルクスが言ったように、富の蓄積が資本主義の本質なら、フェニキアの時代から資本主義。マックスウエーバーは高貴な顔をしている。学生のときにあらゆる学科の名物講義を受けた。社会学というときにウエーバーから受けた影響は大きい。

大学教授には何にも尊敬の念をもっていなかったが、社会科学を数量として使えを言われ、人間の知能も測れると計量化できるという、悪しき流行があった。計量というのが熱病のようにはやった。大学教授には興味が無かったが、結果的には大学に残ることになった。山岳部に入りひたすら山に登った。80歳の今日でも山に登っても学生に負けない。卒業して会社員になったら山に登れないぞといわれ、一番多いときには200日ぐらい山に登っていた。特別研究生というものになって、山に登り続けようという悪しき動機で研究室に残った。言ってみれば社会科学なんて必要ない学問。僕は文学というものがはるかに必要。法律なんて制度なんですよ。経営学なんて学問はない。

経済が成長したとか、どこに比べてどうかというのは経済学者を通してしか分からない。アメリカに行って納得できたのは、経営は学問じゃない。対象なんです。

人財にとって日本とは何か、松本さんが、国の気概ということで話しておられる。マサチューセッツ工科大学から話がきた。30(歳)ちょっとすぎ。ワイフの旅費までついていた。1960年から62年まで仕事をやった。テーマは企業経営の国際機関。アジアは僕とインド人しかいなかったけど、自分の国というのは結局、他国との比較でしかない。他国に比べて日本はどうか。二国を比較するのは簡単ではない。比較が意味があるのは、何か一つか二つ、非常に似たものがあるというときに非常に意味がある。日本とアメリカは国の形成条件は非常に違う。アメリカはヨーロッパ文化圏を基盤に、日本はアジアの漢字文化圏。似たとことは、どちらも経済大国ということでは似ている。20世紀で経済でものに出来た国ということで聴けば、日本とアメリカは必ず入ります。

実際には19世紀末、工業国家でなくて経済大国になった国は一つもありません。日本はもともと農業国家だったのです。先進諸国に伍して他のアジア諸国に、一種の国家主義をおこして1868年の明治維新が一つの転機になって工業国家になった。富国強兵、殖産興業。アメリカも南北戦争が終わります。それに匹敵するものがある。アメリカでは市民戦争といわれている。相当勢力が伯仲していた。南が農業、北が工業。工業と言っても後進工業だった。

南北戦争というと奴隷解放というが、農業は付加価値のあるものが作りたい。工業は資本主義という前提で出来ています。労働力も商品である。工業が進んでいると、奴隷労働が根本的に否定される。南北戦争は大きな国内の利害対立から起こった。結果北が勝った。だから19世紀後半、アメリカが工業国家として歩み始めた。19世紀初頭、19世紀後半、どちらが工業国家として恵まれていたか。日本は大変努力して工業国家になったという悲壮感が、日本を太平洋戦争に突入させた。こと工業に関しては、圧倒的に日本のほうが恵まれた。労働力が無ければ当時は発展できない。人口が労働力ではないが、労働力は人口ではないのか。労働力は人口だ。19世紀後半、工業国家を目指そうとするときには人口は基本。1965年、日本は幕末、アメリカ南北戦争終了、人口の差は、推測ではほぼ同じだった。どちらも3000万人強。人口は日本とほぼ同じだった。日本は3000万人が住んでひどい生活をしていたか。確かにそういう人もいただろうが、江戸文化を創った。明治時代の芸能は全部江戸時代が作り上げた。案外程度の高い文化を創ったというのは、相当豊か。基幹産業である農業が相当高い生産性をもっていた。米に換算すると生産性は、現在の東南アジアの生産性に匹敵するほど高かった。生産性の高さというのは単位面積当たりの収穫量を最大にする。技術革新が起こると、あまるのは労働力。国内でいくらでも工業労働力を作れる国と、工業国家になることをあきらめるか、労働力を外国から導入することを選択するしかない。アメリカのそれまでの移民は宗教や政治的理由。しかし急に労働力を増やそうという政策によって、いままであまり移民実績のない南ヨーロッパ、それから東ヨーロッパ、ロシア。そしてアジア。まず人口を増やすために、移民制限を緩くしてでも、世界中のありとあらゆるところから移民を受け入れなければならなかったアメリカと、100年間自国で調達した日本と、どちらが恵まれているか。

アメリカのように大きな国土面積を抱えて工業国家になったのはついこの間まで無かった。経済が工業に依存しなくても良くなってから急に中国、ブラジル、インドが出てきたが。

なぜこういうことを申し上げたか。われわれは偏見に満ちている。自然科学にも偏見がある。これが人材と関係がある。社会科学、社会もまた偏見の塊だという偏見をもっています。アメリカと日本とが、本当に経済大国として世間から注目されたのは第一次世界大戦末です。そのころの人口、アメリカは約一億。日本は5000万人。日本は移民を受けず5000万人。アメリカは移民の出生率が断然高く、日本は産めよ殖やせよ。20世紀末にアメリカは二億。日本は一億二千万人。二億になったときアメリカは大いにお祝いを下した。日本は一億になった。2005年、日本は人口が減り始め、アメリカは三億になりそう。20世紀末になったとき、アメリカは増え、日本は減る。世界の歴史の中で、人口が減りながら経済が発展した国は一つもありません。

人口が減り始めるより心配なことは、90年以降の日本を見てみると、1990年代、非常にはっきりすることが二つある。日本の青年がめっきり元気が無くなり体力も無くなった。2005年、教壇から見る学生。一緒に山に登ると分かる。登り始めてびっくりするのは20分と学生が持たない。渋谷をみても、屈強な若者がほとんどいない。親を殺した男の写真を見ると哀れ。終戦直後と比べると完全に劣化している。民族の劣化。

たくさんの人間がいるからと言って、工業が興るわけではない。どの分野にも人材はいる。生物の世界ではだめなやつは早く死ぬ。人並み優れた人間を大事にしないと、人並み、人並み以下も暮らせなくなる。日本の戦後を見ると、そういう人材が人材らしく存在できた。青年の質が高ければ希望が持てるが、知的にも精神的にも体力も弱ければ希望が持てない。人並み優れた人材に活躍の場を与えなければならない。日本人のために格段の成果を出す人間が、ぽつぽつと海外に行っている。一番良い例が、私の愛するプロ野球。90年代になると、野茂選手をはじめ出てくる選手が多くなり、21世紀になるとどっと増えた。日本にいれば楽しませ、日本に税金を払ってくれるやつが。アメリカのファンを喜ばせ、アメリカに税金を払っている。それがあらゆる分野で目立つ。私も一年に二回ぐらいはド田舎に。ある国を見ようと思えば、ド田舎を旅行したいじゃないですか。

青色発光ダイオードを開発した技術者は、今、カリフォルニア大学の教授をやっている。一生懸命技術開発して発表したら、反応が無い。アメリカで発表したら、ものすごい反応。これはなんだ?偏見です。なぜ東芝や日立じゃないと青色ができない?偏見。日本をだめにしているのはエリートなんですよ。

日本を滅ぼすものは外国人じゃない。日本の偏見なんだ。日本の中の貴重な人材が思いっきりふるえば、そうでない人もいい。この国は権力がはびこる。そうではない。水戸黄門がまだ人気なのは情けない。葵の御紋を否定して戦後があるのではないですか。

世界中の人間は生まれる国を選んで生まれてきたわけじゃない。カナダで日章旗を見たときには、自然と涙がでた。日本にいれば、日本人のために働いて、税金まで払う人は、だんだん離れる。外国から来てくれるか。必ずしもそうではない。この国が外国人にとって住みにくい。だから優秀な外国人は大事にしたほうが良い。

外国人が犯罪というのは、偏見なんです。日本だってすごい犯罪が起きている。本当に良い外国人が日本に定着してもらうようにする。優れた日本人が定着してもらうようにする21世紀にこの国はとんでもない国になるだろう。来月私は80歳になるが、城山、植木等、親友だったが。そう悲しくも無い。待っているやつが増えた。そんな気持ち。

小松:ニュービジネス協議会の初代会長が野田先生。先生は協議会をぱっと作って、二代目の関本会長に譲られた。グレゴリークラーク先生を頼むということで。

経営という話がありましたが、倒産ということを経験すると、大病、男女、これの三つをやると経営者。時の権力とことを構えて刑務所に入ると、大人物になる。私はこの四つを経験した。日本型資本主義は労働が美徳だということが書いてあった。石門心学と言います。これが日本があっという間に工業国家になった理由と思います。

「他は自分のためにある」という人間。人類だけが、依存から相互依存にいく。自立というのはありえない。都会で出来ないことを地方でやる。このことによって、都会のみなさんお金だしなさいということ。

私が裏日本という言葉を放送でしゃべったら、ばんばん講義の電話が入った。差別擁護だそうで、知らなかった。私はこれからは山陰、朝鮮半島の対岸こそが、世界の人類史の中で一番重要な役割を背負うときが来た。それをいかにして差別化をするか。

東京は家康がここに移封されたときに、ここの可能性に掛けた。山陰・島根の人口は戦後93万人が、今は76万人。どんどん減っている。空洞化しているが、土地の使命があれば、どんどん人が集まってくると確信している。われわれは核の拡散という時代を迎えている。これは核大国が責任を果たさなかった。それ以外の何ものでもありません。 だから中国さん、ロシアさん、米国さん、協力しなさい。

田舎でモデルになるようなことが起きた。東海(トンへ)を消してしまったのですね、そしたらあっという間にニュースが世界を駆け巡った。災い転じて福と成す時代が来た。世界恒久平和の流れを朝鮮半島と日本が作り出す時代が来る。そうならなければ、歴史の評価の中でだめになる。これからの時代は日中友好、日韓親善とかよく言われますが、日本は平和憲法を言われているが、これを活かす。倒産すれば倒産を活かす。核を初めて放棄すれば、(北朝鮮の指導者におくる)ノーベル賞の二つや三つ惜しくない。

これからは投資と寄付で、江戸時代は出来ている。ビルゲイツ財団が出来た。私が知る限り、ビルゲイツ財団が人類の進化に値するような金の使い方をしているとは聴いたことがない。一言で言えば平成25年が出雲大社の遷宮、同じ年に伊勢神宮の遷宮。私は10倍の5500億円で世界平和のモデルをあの日本海の地域に作る。演繹法、帰納法、弁証法で作る。

参加者(宮本)

さきほど戦争の話をされたけれども、あの戦争の時代は反省がない軍隊。いまの経営者にも反省が無い。リベラルな人。左派リベラリスト。今もリベラリストは中国に対して過分な評価をしている場合が多い。マスコミや政界にも、全共闘崩れといってもよいが。私も父親が特攻隊に行かなければならなかったが、行く前に終戦になった。

野田:私は戦前、尋常小学校。中学は進学先。名古屋の国立小学校。成績の良いやつ、
   恵まれた人間が中学に行った。そのまま中学を卒業すると、四つ進学先がある。われわれは
   工学部旧制高等学校に進む。各地にありました専門学校。それぞれの地域に密接した高等
   教育を受けている。各地域に専門学校がある。落ちぶれたわけではなく、そこしかなかった。
   残りは音楽、美術学校。戦後の教育改革で全て新制大学になった。急に大学が増えた。
   あれよあれよという間に、今700いくつある。

ひとたび偏差値の高い大学に入ると、こと大学に入ったということで自分の志望を達成した。
  それで官僚になったりし、彼らはエリート意識を持つ。どこの国でも多かれ少なかれだが、
  日本ほどひどい国は無い。戦前の教育が優れた教育をしたかというとそうではなく、やはり
  東大と同じ。たまたまその学校を出なかった人は失意の中で人生を。だから日本は完全に
  失意の中ですごさなければならない。日本は人材を生かしていない。昭和50年以降、日本が  経済が成長した以降は、エリート自身が非常に胡散臭いことをしている。

権力の腐敗というのは戦前からあった。中学に入ったときに軍人に接したが、中尉がいて、戦争が  始まってないのに長剣をぶら下げ長靴をはいて、コツコツと。話は「日本には石油がないという。
  それは国民の精神がたるんでいるからだ」といって長剣でどんとやる。笑ったやつを殴る。軍人はり  っぱじゃない人が多かったと思う。南京事件(の犠牲者)が何人か知らないが、確実にあんなや  つが軍人で現地に行けば、必ずひどいことをしただろう。われわれは加害者なんですよ。

どこの国の人間でも売春をしただろうがそれは個人の問題であって、どこの国に(売春)ツアーなんてする国があるか。日本は変わっていない。強制される愛国心ほど危険なものはない。
  よいところが無い国は無い。昔、息子に話して聞かせたものだが、お父さんは今度生まれるときには絶対にこの国に生まれたくない。お父さんはこの国のよいところを挙げるときには
  何百も何千もある。しかし非常にこの国は矮小だよ。叩き潰すべきものを叩き潰さない。

  僕はたくさんの友人があるが全て同じじゃない。発言に責任を持てばよいが、翻す。日比谷公園で鬼畜米英とやる。あれを見たときに怖かった。米軍が上陸したら
  竹やりを持って突っ込むのだ ろうが、終戦になったときに最初に権力に従順になったのは彼らだ。

信条が無いやつが下にいるのはいい。権力にいるのは許しがたい。今の政治家だ。

 まともなやつは一人二人と外国に行く。比較的僕は欧米派だったが、インドからモンゴルに行った。インドは一歩出ると貧民街。インドの貧民の顔つきが良くなった。選んでこの国に生まれたわけじ ゃないが、卒業してからは自分の責任だ。

ベトナムに行ったときに、ベトナム人は反米的だと思ったけど、全然そんなことない。イラクとは違う。一つは、ベトナム人はベトナム戦争で負けなかったということに誇りをもっている。言葉の端々にあ る。ベトナム人と日本人とみると、一人の人間の高貴さというのはベトナム人が高い。(日本は)民族の誇りを失っているんだよ。

 小松さんのおっしゃっていることに感銘を受けるのだが、最後に突き当たるのは権力の壁だよ。尊敬できる政治家なんてそんなにいないでしょ。数えるほどしか。そういう人が権力を握っていると考 えると、日本には果たして民主主義なんて育つか。

1970年まで僕はこの国に希望をもっていました。日本人として納得して、自分は日本人だと生きられたのは25年間。終戦から万博までは日本は幸い健康な社会だった。大きく方向を変え、バ  ブルのときは最悪だった。その日本を小松さんは変えようとしているが、最後にぶち当たるのは政治家の壁だよ。

小松:官僚、政治家たくさんお付き合いした。最大の加害者は最大の被害者。かわいそうですよね。子供奥さん。民主主義、アメリカは自由を保証し、主権在民である。ギリシアの民主主義は    論理的に議論し、上下の格差をなくす中で、基本的人権を保障する。

いまブロードバンドの時代では社会的生命を奪うことができる。10数年やってきて、やっと韓国で、私の写真が雑誌に載った。日本人で、島根県民の私を雑誌の表紙に載せるというのは、向こ  うで社会的生命を奪われる可能性があるのですね。私の記事を掲載するに当たってその編集長は、今を生きる人間、朝鮮人、韓国人、ジャーナリストとして、知ってしまったからには掲載しな   かったら、私は人類から指弾を受けると。ものすごく迷ったという。

 釜山で基調講演をさせてもらった。必ず順序を踏む。生身の人間は命を掛けることは出来ないが、命を忘れることはできる。世界で戦争のことを研究した本はたくさんあるが、平和を研究した本 は無い。江戸250年、平安350年の平和。それを研究して行くと出雲に行き当たる。大和朝廷は出雲を横取りした。怨念が起きる。鎮魂のために自分の弟を派遣し、永遠に鎮魂せよという。

この知恵、この鎮魂が日本の平和を作る鍵を握っている。日本には地震がある。鎮魂ではなく昇華でなければならない。小泉さんの活動によって、日本企業が野放図に中国に行くのが止まっ た。怨念がいかに中国や韓国に、オランダにあるのかが分かった。鎮魂ではなくて昇華にもっていく。

日本と中国の関係は小泉さんによって氷になった。安倍さんが中国を訪問して氷を砕き、温家宝さんが溶かした、しかし水は氷になる。これを気体にすれば二度と戻らない。これは知恵。

 ドイツはヨーロッパのドイツ化に失敗し、ドイツのヨーロッパ化に成功した。「恩讐の彼方に」という菊池寛の小説があるが、加害者と被害者が一緒になって意義のある仕事をやる。北朝鮮には日  本が非常に大きな責任がある。私は三人の死というのがある。一人が明成皇后、安重根、伊藤博文。そして今を生きている、自由を奪われている人、拉致、韓国人拉致、赤十字が大きな責 任がある日本人妻。これに真正面に取り組めば、これに逆らえば人類の敵であるということになる。これは一人ひとりには奥さんがあり、子供があり、孫があるからだ。

 日本の外務省は本当に気の毒。なぜならば日本の国是がない。ドイツはこれからどう世界に貢献するかが大議論になっている。

  松本:午前中、国の気概ということでかなり盛り上がった。結婚式のような明るさ。泣いてしまった、結婚式が葬式になったような気分。日本が焼畑になってももう一度日本に生まれたい、
   マックスウエーバーの話があった。イスラエルはもともと多神教であったが一神教になった。トインビーは逮捕された文明といった、ユダヤにとってもっとも快適な国はアメリカ。
   日本が劣化したという、このまま行けば中国に併呑されてもおかしくない。

   今のご両人の話を聴くと、日本はいったん乗っ取られて寄生虫になって立ち上がったほうがよいのか、中国と日本では勝てない。愛国心を押し付けられるのは嫌だという国民が日本は多い。中    国と戦うと、どちらが強いかというと。

   日本はいったん消えて、小松社長なりの実績と力があれば出来るかもれませんが。日本はいったん滅んだほうがよいと思うが、間違っているかもしれない。

野田:結婚式が葬式になったとすれば責任を感じるが、終戦直後のほうがまだ希望がある。いま日本がやるべきことは、浮かれているときではない。深刻に現実を眺め、
   自然な愛国心をもつ。自然な愛国心を基盤にする。自分の理想、考えを持つ。私は主としてアジア各国から日本に来ている若者と密にしている。
   やはり少なくともそういう人たちと接しているとそんなにぶれること無い。マスコミほど。そのころ接していた中国人がそんなに反日的ではない。自分の行っている
   ノーリターン化現象。今日本のために一番貢献しているのは、諸外国に行っても、日本人であることに変わりは無い。名も無い日本人が諸外国に行って、
   日本人ってたいしたもんだという地道な努力をしないでいきがったって、たいしたこと無い。日本人として自分がやれることを地道にやって行くほかない。

 また次に生まれたときにこの国に生まれたいかというと、残念ながらそう思わない。なぜイタリアか。日本とアメリカはほぼ1:2.アメリカはあんな状況でもどんどん難民を受け入れてきた。
   プラスだけではなくマイナスもあるが、シリコンバレーを作ったのはアメリカに夢を求めてきた人間。アメリカはシリコンバレーのような地域を作れる。日本は外国から来た人間が
   腕を発揮できる土壌が無い。

 イタリアもたくさん問題がありますが、フルビッツアとありますが、京都でいう「いけず」というのですか。京都人は権力者に対して歯向かったり、あるいは隷属もしない。適当にあしらう。
   イタリアの何が言いかというと、信頼できるのは家族と友達。それ以外の人間は他人。一番信頼できないのは権力。第三の道は、適当にあしらいながら、自分たちの生活を守る。

 第二次オイルショックを経験したころ、そのころイギリスは完全にイギリス病。イタリアも表の経済は完全に行き詰っていた。破綻するといわれていた。イギリスからローマに行ったが、国が破綻しか   けているのに、イタリア人は町で食事をしているし、やっぱり庶民がもっている知恵。ある意味では雄雄しい国民ではないですか。一回しかない人生を納得して生きるというのはすごく大事。国   に対して命を捨てろとは、黙ってても捨てる人に感謝すべき。国家のためなら国民は死んでもらってもという思想があるんじゃないですか。それは僕には許しがたいことです。僕の息子の人生は   親が支配しているのではない。日本では権力が過大で、しかも尊敬できる権力とは何か。私はこの国を冷静に見ています。外国に家までもっていますが、総合的に判断したら一番住みやす   いが、ある状況下でこの国はだめだと思ったらこ の国を捨てる。この国のために国家を捨てるほどこの国に愛国心は無い。国は自然に愛して。サンタモニカに沈んで 行く夕日に祖国を思った   のと。(特攻にいって)帰還するなという愛国心とは天と地の違いがある。そういう人は永久に僕の敵だよ。この国は一人ひとりの命が非常に軽んぜられる。イタリアは「国家というのは信頼する   な」と。家族を大切にしている。イタリア人は非常に悲壮感をもっている。50ぐらいの国を歩きましたが、僕はどこを選ぶかといわれたら、イタリアだろうなあ。
   いつも結婚式のような状態で(今を)見られる状態であろうか。(新聞紙面をにぎわす殺人事件など)こういう事件が頻発することに、それが日常化していることに非常に恐れる。

 参加者:私のほうが二年ほど年上でございます。その二年というのは軍国主義がまだそんなにはびこっていなかった世代です。私は天文学をやっていたが、みなさんなぜ地球上に人間がいるかと考      えたことがあるか。一番の理由は水があるから。太陽光とつりあう温度は摂氏で90度。地球の裏側は摂氏で2度か3度。それを海洋がかき混ぜている。こういうところは宇宙を全部みても      そうない。奇跡の星。太陽光が海に入ると100m近くまで入りまして、3000年掛けて表面に出てくる。
      海はものすごく保温の良いシステム。その次に森がある。これを小学校の教育に入れてほしいんです。森は膨大な水を、大きな大木だと何tという水を滞留させている。そうすると風が起き      る。それを何億年も続けると空気中の二酸化炭素が減って寒くなる。これを何億年も続けているのが地球。これを人間によって壊されようとしている。
      太陽光発電の効率を何倍も上げると、今の石油に十分に対抗することができるエネルギーが出来る。子供が知ると、自分たちの力で出来ることがいくらでも出来る。

 中野:和魂万才。世界をみて、僕は京都が一番良い。外から日本を見るとものすごくオポチュニティーがある。

野田:アメリカはオポチュニティー(機会、好機)の流通が良い。アメリカはだめなら、すぐによその会社に行く。自分に適した職場を見つけることが出来るが、日本はまともなどっかに移ると不利になる   。頭いい人材が無駄な人生を送っているのが非常に多い。青色発光ダイオードの彼に、誰も日本の大学もオファーしない。論文が無いとか、学位がないとか。アメリカというのは非常にオポチ   ュニティーの流通がいい。オポチュニティーの流通を浴することをこの研究所がおやりになれば、日本は風通しが良くなると思う。

参加者:10年ほど前から人類生き残り研究会というのを主催している。話すだけでは全然進歩していない。八百万の神、日本人同士のつながり、家族制度が深いところで生きている。
    ネットワークビジネスが日本のあちこちでバンバンできている。日本の全部の会社は環境を大事にする仕事をしなければ生きていけなくなる。

野田:私は楽観論でも悲観論でもない。親父は物理学者だからリアリスティックなんですよ。現状の日本に対して厳しいだけ。自分がやれそうなことにしか情熱を感じない。
    君たち一人ひとりの人生は他人にコントロールされるな。他所の国にいけないからこの国に住んでいると思うな。どこに行っても日本人。だが思いっきり自分の個性が
    発揮できる国で過ごせと思う。最初は言葉や習慣が違っても

 参加者:1970年まではハッピーだったという。

野田:オイル危機があった。初めて危機が来た。1970年の大阪万博は、私が訪れた万博の中で一番華やいでいた。あのときほど日本人がいきいきした顔をしていたことは無かったと思う。

 参加者:さきほどの日本の国がまたぶり返す構造をもっているのは、官尊民卑というのがあるから。民が持ち上げるから。

野田:明治時代は官尊民卑が働いたと思う。明治時代は優秀な子を(進学させるのに)周りがお金を出した。そして官僚になることに非常に責任感をもっていた。
    明治の初期は(そのシステムが)上手く働いた。

参加者:官尊民卑は戦前も戦後も共通している。私たちは受け入れている。それを変えないと何回も失敗する。私は官が嫌いということではない。
     現実に霞ヶ関に二年出向していた。官僚に対して、民を尊敬することを知らしめなければならない。

大脇:日本の一番の根幹の哲学的思想的問題なんですね。ルネッサンスとか、啓蒙主義とか。近代とは個人を尊び、民主主義、その中で工業が生まれた。
    アメリカは市民革命で作った。日本は上意下達で国を作った。日本の国体とは、アイデンティティーとは何なのか。要するに天皇制をどうするか。
    トインビーは文明の挑戦に対する最も望ましい応戦は変貌(自己変革)だと言っています。今の文化人は何をしているのかという僕の質問です。

野田:そんな質問に答えられたら生きていない。リアリスティックであって、和魂洋才なんて考えたことも無く、そんな言葉も使わない。自然な愛国心。
    国家斉唱のときに起立しろといわれると、まったく反発してしまう。自分ができもしないことに悩んだりしない。私は死ぬまでリアリストなんだ。

 参加者:昔と今は、競争社会になって、グローバリゼーション。それが官僚制度とマッチしていない。

野田:人柄が良くて才能のある人間に思う存分活躍してもらう。大学を出ていないが非常によいものをもっているというときに、日本は冷たい。
    国家は許していない。国家は敵だ。

小松:下村治先生、所得倍増計画の策定に当たり、決断のときに赤字国債を発行した。その目標を達成すると、「もう日本は所得倍増で止めておけ」といった。
    しかし日本は乗り越えた。サンフランシスコ条約で賠償を放棄してもらった。このことを知らなければならない。生活大国という言葉があるが、生活大国ということは
    何かということは研究されていない。会社を財布代わりにして今の活動をしているが、これからはある意味では楽観と言いますか素晴らしい時代に生きている。
    これだけ恵まれているのは、人類の歴史上日本しかない。Googleyou tubeを買収する。コンセプト(Google)とコンテンツ(you tube)、もう一つはキャラクター。
    日本は昇華することができる。日本の土地の使命だ。世界から日本によって、新しい日本人になることによって、人類の未来を拓くことが出来る。
    国是が無い中で生きる官僚は哀れ。官僚を逆に救うという視点で考えなければならない。ブロードバンドでそれが出来る時代になった。

野田:怨念は大事でキャラクターを生む。日本はその一つだ。理科的発想では怨念がキャラクターを産むというのは納得するが、日本しかないといわれると。

小松:根拠は南京記念館にあります。あそこは今年、展示面積を10倍、敷地を3倍にします。韓国にも、オランダにも。私は全部歩いて、ハワイには真珠湾攻撃の
    記念日に行った。私はちゃんとそこに行けば絶対にできる。中国の中央電子台が一日中放送してくれた。やれば必ずできる。

参加者:(南京の)展示内容は荒唐無稽ということを知るべき。

小松:そうであれば、それを逆に生かすのです。
                                             (文責;堀江研次)

━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━

野田氏;略歴
     昭和2,名古屋生れ,東大社会学科卒,東大,都立大,成蹊大講師,マサチューセッツ工科大」
     ポストドクトラル・フェロー,立教大学教授,()日本総合研究所設立,ハーバード大学イェンチン・

      フェロー,()ニュービジネス協議会設立,理事長,多摩大学創立,学長,()日本マネジメントスクール会長,
     宮城大学設立,学長

    現在多摩大学名誉学長()宮城総合研究所設立,所長,()社会開発研究センター理事長,兼務

  著書;『日本の重役』『日本会社史』『財閥』『松下幸之助-その人と事業』『大学を創る』
         『現代の経営』(ピーター・ドラッカー著監訳)『私の大学改革』,『現代経営史』(編著)
         『企業と社会』(共著)『未来を創る力『ものづくり』のすすめ』(共著)ほか

       

62 未来構想フォーラム 開催趣旨

 夕刻の発題者、野田一夫氏は、70年、いち早く日本にシンクタンクを立ち上げ、
        73年には、(財)社会開発総合センター、89年、多摩大学、97年には宮城大学を設立、
     そのほかにもユニークな構想を次々と現実化されている方です。

世界中で大学に紛争の嵐が吹き荒れた60年代、大学の時代的役割が鋭く問われました。
これに答えて、わが国でも国際大学、筑波大学、国連大学誘致、アジア太平洋大学等
,
新しい試みもありました。

  「大学は理念を中心に研究と教育、奉仕の4つの要素から成る」(Clark. Car)。そこで
     問われたのは、「何のための大学か?」大学の理念でした。大学の社会性、未来志向の
     学際的研究、教養と専門の均衡の取れた教育等が提唱されましたが、国際性こそ大学
        に期待される最大の変貌要素であると言えます。科学・技術、情報・通信、交通機関
        の急速な発達による、インター・アクティブな地球村社会の現出は、従来の国益を
     
1義とする大学から地球益を希求することを求められているからです。

  「留学生;米国58万人、英国24万人、仏国18万人、独国14.3万人、日本10.9万人」
     「大学が経済のニーズに答えている割合;日本は
60カ国中58位」と近刊『人財立国論』
        は伝えています。世界に貢献する大学、またシンクタンクとしてどのような変貌が可能
     でしょうか?

野田氏は長年、この分野を開拓して来たフロントランナーであり、氏は最近、日本から
      優秀な人材が海外へ流出、ノーリターン化現象を危惧されています。
どのようにすれば、
     世界の優秀な頭脳に魅力ある日本に変革することができるで
しょうか?
      
     氏のご発題を元に、皆様と共に検討いたしたいと存じます。各
位の積極的なご参画をお待
     ちいたしております。ぜひ、お誘いあわせの上多数ご参加ください。

      平成195月吉日   NPO法人 未来構想戦略フォーラム

             共同代表 大脇 準一郎・新谷 文夫

              

野田一夫かく語りきプロフィール関連リンク

nodakazuo.com 野田一夫 WebSite
はがき通信ラポール インターネット版
copyright(C) Kazuo Noda.  All rights reserved.


過去の教育フォーラム : ビデオ、DVD,インタネット放送でご覧になれます!

第3回日本総研「今、問われる日本革命―教育の視点からー」 鈴木博雄氏 3/20/'02
第8回「人づくり,国づくり,自分づくりへ」 田口定則氏,JICA海外青年協力隊進路相談室カウンセラー,8/28/'02
第15回「私の教育改革論」 石川佐智子女史, 「日本再生のビジョンを語る」野田一夫氏(財)日本総研会長,4/16/'03
第16回「国立大学の法人化と活性化」 東京農工大学 宮田清学長 5/12/'03
第18回「市民教育から日本変革へ」 森嶋伸夫氏一新塾代表理事 7/18/'03
第22回「戦後民主主義教育の終焉;新しい教育の構想」 鈴木博雄氏 11/15/'03
第6回「国際人材養成の課題」 馬渕睦夫氏(財)国際開発高等教育機構 専務理事 2/9/’04
第24回「日本の技術と日本人」 西澤潤一氏ほか 12/11/’03 
第29回「教育と憲法を考える」 小田村四郎氏 前,拓殖大学総長 5/11/’04
第33回「家庭・学校教育崩壊から青少年を如何に救うか?」 中西真彦氏 9/13/04
第34回「私の実践;青少年育成」大貫啓司氏 倫理法人会専任幹事 「今求められる指導者論」 鈴木博雄氏 11/09/’04
第37回「日本の未来・教育の未来」 西澤潤一氏 2/3/05
第43回「なぜ社会貢献は必要か?─人間本性の謎に迫る!」 中西真彦氏 8/11/’05
第52回”「世界の中の日本の役割―あるべき国家像と教育改革―」 小松昭夫氏ほか 8/30/06
第53回「教育こそ、日本再生のキーワード」 山田 宏 杉並 区長, 鈴木 博雄筑波大学名誉教授 9/17/’06
第60回「国際的リーダー育成と世界再生」 伊勢桃代、元国連大学事務局長 4/26/’07

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
           教育再生への提言 平成19426

1、今日の生命軽視、無責任、身勝手な陰惨な事件が横行している。このことは,70年代
  から
80年代へ掛けて核家族化が進み、国を支えてきた「家」が崩壊したことと無関係
  ではない。

2、“教育再生会議”では学校教育に焦点を当てているが、教育の原点は家庭であり、
   国家、社会の原点も家庭である。教育基本法に家庭の価値」をもっと強調
   べき
である。

3、幼児期前期における父母の役割が特に大切である。ゼロ歳児にとって母親のスキン
  シップは重要で,自閉症の子供はこの時期に母親の愛を受けなかった子供に多い。

   3
歳から5歳までは父親の役割、社会規範“神”を教わる。

 4、戦後、大和魂根絶の占領政策も相まって,西欧の文化的土壌から切り取られた自由・
   民主主義、個人主義の一方的移植の影響で、わが国は深刻な文化的危機に直面して
   いる。
今こそ、行き詰まりに来たった西欧文明とわが国の伝統を見直して、東西を
   越えた新しい文明の創造に挑戦すべきときと考える。


      教育再生論議に欠けているもう1つの議論は
             
国際的リーダーの育成である。

 1、まず、日本から世界ではなく、世界から日本の役割を問う発想の大転換が重要である。

 2、“平和構築”は第一歩であって、本当に国民が安心して暮らせるかということが
  究極的目的。人々が欲しているのは精神性の問題。“この人だったら正義を護って
  くれる”という精神性を前に出して信頼の回復をしていくこと、個々の宗教にこだ
  わるのではなくて宗教とか文明を理解する場が大事

 3、日本人がリーダーシップを取れない理由の一つは,コミュニケーションの問題
    小学校から議論をさせていない。自分の意見も言わないから、自分の意見が間違
   っていることすら判らない。いろんな意見の中で生きるすべを持たないので,一人
   勝手
。内向き,自分たちの間でもあまりものを言わない,こういう考え方では
   国際社会に飛び立っていけるような人材は育たず,
ましてやリーダーシップは
   取れない。
国連ではいろんな意見がある、その上で自分はこれが正しいのだという
   ことが言えないと通用しない。日本の内向きな考え方を直さないと国際社会には
   通用しない。
日本に議長をやってもらうケースは非常に少ない。議長になるという
   ことはいろんな人の意見を聴く必要がある。英語は習わなくていいという。これは
   とんでもない。英語を知らないと通用しないというのが現実

4、国連内部においては職員をどう管理するか。国連ということは一匹狼。 
  日本のお役所のようにみんなが支えて上に行くというのは無く,個人。そこでは
  民主的な,時には強制的な内部管理をするかという能力を若い人につけていかなけ
  ればならない。国連は国際公務員であり,どちらかに偏っては,和平交渉はできない。
  あくまでも中立でなければならない。

、アジアの強みは、大陸とつながっていること。日本は島国。日本は城を明け渡して死ぬ
  とか,妥協をしない文化。ヨーロッパの中で生き抜いてきた人々の中には激烈なものが
  ある。日本人は本当に和平交渉をできるのかということを自覚しなければならない。

6、国連で日本はリーダーシップを執っているのか”という事務総長の次のレベルになる
  ような上級職に対して、日本人の数が非常に減った。国連の上級職をもっと日本人が
  採るべき。それには最高の人材を持ってこなければならない。必ずしも外交官,国家
  公務員に限らないで,広く能力がある人を入れるべき。
国連の現状として残念ながら,
  政治化してしまった。最高の人間を国連が獲得できる」という国連憲章に戻るべき
  ではないか。

7、若い人が外に出られない国家戦略ということを立ち上げる時に来ている。
  官民一緒に考えないと、日本はどんどん遅れる。

  8、国連大学について

    教授、学生がいなくて,学位がでない。冷戦構造の中で,ネット革命の前にできた。
  考え方を変え、新しい解釈を加える、そういうグループを作ってはどうか?研究所
  ではなく、もっと実践的、実地的に力を入れ、コミュニティーが使えるものを作って
  ほしい。国連大学を日本に持ってきた理由は、日本の学界は学閥があって、縦割り,
  これを開放的な横のつながりにして、優秀な方たちがもっと外に出るように
  ということがあったが、実現されていない。
21世紀に役に立つ大学,市民団体,
  
NGOに役に立つ大学
であって欲しい。国連大学は、夏期講座とか、学生たちを
  入れてセミナーをやっているが、もっと地方に出て行ってやることも大事ではない
  か?国連大学憲章というものをもう一度検証することが大事。

9、従軍慰安婦問題;これはあったことだ、だから謝罪するというのが、日本の国として
  大事。北朝鮮の問題で、アジアというのが目に入っていない。すべて日本中心。だから
  日本を一歩出るとゆがんでいる。アジアの中で、平和裡に生き延びるというのが難しくなる。

  10.日本への期待:世界は日本に何を期待しているかというと,思いやりとか,よく
    働く
ということ。

  法律は人間が作ったもの,どこか抜け道がある。倫理観が大変な問題。信頼よりも法律
 に頼った社会というのが、いかに問題があるかというのを,政治家はきちんと判って欲し
 い。責任を取れる社会を創らなければならない。日本としての考え方が作られていない。
 
21世紀日本の倫理観を作らないと、若い人が目的を無くなってしまう。

 お互いのことを考えなければならない社会。人権は基本、人権のない社会はできない。
 人権をどう子供達に教えるかというのは,文科省の責任。日本のリーダーは余りにも
 近代国家の形成に必要なことの勉強をしていない

 日本は日本独特のものを考えていない。これは知識階級の大変な問題。

 国際的にリーダーを作る前に,
国内的に本当にしっかりしたリーダーを
 作っていかなければならない。市民が立ち上がるとき

      平成19年4月26日 
                      特定非営利活動法人 未来構想戦略フォーラム
                                    教育 政策研究グループ


              教育改革への提言

安倍総理大臣閣下殿

  安倍内閣は、「美しい日本」の創造、教育再生、憲法改正、いずれも戦後日本が失ったものを
 取り戻そうとされる歴史的使命をもった内閣と思われます。中曽根先生は戦後の総決算を掲げら
 れましたが、中曽根先生も慨嘆されておりますように、教育臨調、骨抜きにされました。
 ここで長々と書くことは出来ませんので小生が気になるポイントのみを申し上げますので、
 お心にとめていただければ光栄です。

1)教育改革の視点に国際的視野、日本の世界に対する責任と使命が忘却されていません
  しょうか?青少年の凶悪犯罪、やる気のなさ、もっと「青年よ、世界の荒野を目指せ!」と
  ロマンを掲げるべきと思います。団塊世代のパワーも世界へ向けることが長期的には日本
  のため、本人達のためと思われます。日本の各界の指導者層に中に、国際社会の一員とし
  て大国日本はどういう役割、責務を果たすべきか、国民へ訴えかける人が皆無なのはどう
  してでしょうか?

2)小生、主に南米へNGO活動に挺身しましたが、今も同僚が世界各地で汗を掻いています。
 中にはマラリア、政変のあおりをくらい命をなくした者もいます。ODAも物の援助から教育援助へ、
 現地の人々の教育レベル向上に貢献するべく大掛かりな平和部隊を創設されてはどうでしょ
 うか?これこそ温故知新、世界も共感する国の誇りを再生、教育再生への近道と思われます。

3)教育の根幹は文化問題であり、価値観の問題、人間にとって、国家にとって何が大切か、
 そのプライオリティを確立することです。国軍が解体されたことの余波、大和魂を根絶するとの
 占領政策は一時でしたが、左翼勢力はそれを最大限に利用し、時の政権は自らの政権維持の
 為に、戦後の課題を先送りしてきたことはご存知の通りです。
  価値観の形成において、宗教・道徳・倫理は重要な役割を果たしてきましたが、未来社会に
  おいてどれほどの役割をご期待できるでしょうか?己を忘れ、団体を犠牲にしても世のために
  尽くそうとの公徳心が溢れた生きた精神的団体、文化団体が皆無の状況です。ボランティア
  社会、NGO、NOP時代の到来も、既存組織が既得権益にあぐらを掻いて、百年河清を待つ状況
  下、新時代を招来する政治的レーダーシップが鋭く問われています。

4)憲法改正の流れを果敢に進められると共に、経済、技術、教育、日本の非軍事的要素を
 バーゲニングパワーとしてこれらの非軍事的要素をインテグレイトして「世界平和への積極的
国家戦略」
を提唱されることをお薦めします。農政、FTA協議に見られるように、日本の国益のみ
の保身演説では、どんなに頭の良い官僚が工夫しても他国の共感を得られるものではありません。
常任理事国入りの票稼ぎのためのバラまきODAはもっと実質的成果の上がるほうへ振り向ける
べきと考えます。

5)文化は人間の精神活動の社会的展開であり、同時に伝承性、継続性を持ったものです。
 昨年、コーヘンイスラエル大使にご講演を何度か頂くチャンスがありましたが、歴史性こと自信
 確信、またユダヤの叡智の源泉であると痛感されました。
  日本文明をどう世界史に位置付けるか、1976年、故、中島正樹、木内信胤、郷司浩平氏らと
 結成した「新しい文明を語る会」をこの自覚から生まれたものです。
 第2次大戦をどう清算するのか?わが国は未だはこれをあいまいしています。それとともに重要な
 ことは日本文明の本質を再認識し、世界へどう貢献するかです。環境政策は勿論、政治、経済・情報を
 含めたあらゆる面において文化を機軸とした文化的付加価値のある政策展開をされることをお薦め
 します。
 昨日の総理の首相演説をお聴きし、その情熱に感動し、一言拙文を奏上申し上げました。
                                                           以上

   平成19年1月27日               
              特定非営利活動法人 未来構想戦略フォーラム教育 政策研究グループ

          教育改革3つのポント 9.17未来構想フォーラム提言

平成14年(2002年)、本会発足の動機は、「日本の問題の根底は教育問題、教育こそ日本再生の鍵」との
認識からでした。今回総決算的な意味を込めて、教育を焦点にフォーラムを開催し、新内閣発足に併せ、
政策提言をいたします。皆様の積極的な参画、ご協力を賜れば幸いです。今日の教育改革の論議で、
重要なポイントがいくつかあります。

 1)国際的視野の欠落:最大の盲点!

  「日本から世界へ」ではなく,「世界から日本へ」, 視点のコペルニカス的大転換が必須です。
  世界の中の日本の役割、日本の国家像を明確にしてこそ、教育が語られるからです。

 
2)知情意のバランスの取れた 均衡教育が必要:

  「科学技術の行過ぎ、社会科学の怠慢、宗教・哲学が死んでしまった。」との鋭い社会的診断の
  ように、今日の教育危機の根底には、西欧民主主義・個人主義教育の行き過ぎ等の文明史的
  課題があります。人や自然とのつながり・共生を重視した東洋の伝統的価値観の再評価と西洋
  文明等との融合等、新しい教育の視点が問われています。

 3)教育の主体は 誰なのか?: 国家、父母、個人、それとも?

   教師(教員養成)・親(PTA)、官僚、学校教育と塾、職場、社会、家庭教育、
   ボランティア活動を検討、教育の主体を明確にする必要があります。

教育改革 ファンクション・ダイアグラム

 A) 新文明の創造を教育目標とした新しい歴史観の確立


  伝統文化の継承、多様な固有文化を生かしつつ、普遍的文化圏を形成
  現代の文明的課題を克服する新文明の創造に挑戦。

 B) 未来社会に相応しい人間像の確立:

  愛情あふれる家庭人、善良な社会人、国際人、個性豊かな創造型人間

 C) 教育方法の改善:

  @生涯教育体制の推進;学歴偏重主義を打破、再チャレンジを可能とする,教育機関を
    身近なものへ、学校を地域社会へさらに解放⇒ 新政権の目玉

  Aイデオロギー,知識偏重の教育⇒ 現場実地教育(フィールド・エデュケーッション)
                        情操(感性・芸術 )教育を重視

  B双方向授業を重視⇒ 教える授業の精錬化,学ぶ授業,学習に喜びと生きがいを与える

  C研究心を育てる教育 ⇒ 教育から研究、大学院,主体の大学への移行
     優秀な学生の支援体制、留学生の受け入れ強化

  DIT、教育機器の導入:教育効果を高める

                   教育改革討議資料 

教育問題を論ずる事前情報です。参考となる提言、論文をお寄せください。

A)「人財立国論一人ひとりがチャレンジできる社会を目指して」

経済産業省:鈴木 隆史/大辻 義弘/守本 憲弘/坂田 一郎/松山 泰浩/
深宮 智央 編著 280ページ 2007年 1月 23日発行 「人を“財(タカラ)”と考えて、事にし、
そして育て上げていくか」企業、学校、家庭、地域、社会全体が、この思いを共有しながら、
「ヒトづくり」の枠組みを作り直し、新しい人材育成の形を構築していくべきである。  
*野田一夫先生推薦、 下記の本、日本の教育、先進50数カ国で最後から何番目
  かであること、優秀な人材のアジア的還流の必要性について述べている。

B)アジアゲートウエイ構想

日本が世界にとって魅力のある「場」となるためにも、海外の成長や活力を日本
に取り込むことが重要な課題となっています。
 このためにも、人・モノ・カネ・文化・情報の流れにおいて、オープンな経済
社会を構築することが重要です。「アジア・ゲートウェイ戦略会議」 は、日本
が魅力ある国となるために必要な政策を実現するための構想を設置しています。

1、{教育再生への緊急提言」 (PHP) 全文 
 提言
1.教育を自由化      2.「教育改革」を「分権化」
3.義務教育は「四年制」、中等・高等教育は多様な制度に
4.短大,専門学校の連合による大学卒業資格の付与
5.教師は国定資格ではなく能力と意欲によって選ばれる「指導者」とする
6.「通貨」「地域社会」「家族」の教科を設け、学校が選択するよう奨励
7.「日本文化」の教科を設け、学校が選択するよう奨励
8.「歴史」を学校が選択するよう奨励  9.教育活動にブロードバンドを活用
10.学校教育,生涯学習でBRICsとの交流を活発化
2、「21世紀教育新生プラン」文部科学省)平成13年1月25日    
学校、家庭、地域の新生〜学校が良くなる、教育が変わる〜  基本的な考え方

1.人間性豊かな日本人を育成する      2.一人ひとりの才能を伸ばし、創造性に富む人間を育成する

3.新しい時代に新しい学校づくりを      4.教育振興基本計画と教育基本法

(参考)レインボープラン<7つの重点戦略>  (参考)「レインボープラン」(英語版)
  ご意見をお寄せ下さい。rainbow@mext.go.jp           ページの先頭へ
3、「教育提言」学術団体(P.W.P.A)
4、「教育への提言」有識者    
5、兵庫教育大学21世紀新構想大学プラン
目標・計画・評価 > 2005.9.29日作成 全文(PDF 15頁 132KB

                           目  次

まえがき ----------------------------------------------------------  1
本学の基本理念 ----------------------------------------------------  2
本学の目的 --------------------------------------------------------  2
本学の独自性と在り方 -----------------------------------------------  3
大学院学校教育研究科(修士課程)の目標 ------------------------------  4
大学院連合学校教育学研究科(博士課程)の目標 ------------------------  7
学校教育学部(初等教育教員養成課程)の目標 --------------------------  8
各附属センターの目標 -----------------------------------------------  9
附属学校・園の目標 ------------------------------------------------- 11
社会貢献及び社会との連携に関する目標 ------------------------------- 12
国際交流に関する目標 ---------------------------------------------- 12
新しいセンターの設置構想の検討 ------------------------------------- 13
適切な評価システムの確立 ------------------------------------------- 13
  ページの先頭へ   目標・計画・評価のトップへ