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「社風革命から国風革命へ−経営理念・経営哲学の視点から」

市川:国風刷新運動をやっているが、お金がかかるので、経営コンサルタントをやりながらお金を稼いでいる。日本の国風を憂いている。専門は社風革命。家を訪問すると、その家の家風というものがある。同じように社風というものがある。小諸市は交通事故が多く、町風が悪い。ところが隣の八千代村は、おばあちゃんと孫が一緒に花を植えたりする雰囲気があり、更正婦人会というものがあり、子供を育てやすい環境である。町風なり市風なりが人間を育てる。ある家風の中で育つとそういうパーソナリティになる。

 同じように社風が人間を作る。会社によって、社員の個性にパターンがある。JR、松下、ホンダ、雪印、ソニーの例。 しっかりした家庭には家訓がある。立派な会社は、立派な創業の理念を持っている。その理念が社風を作る。しかし、その理念を忘れて金儲けに走る時、おかしくなっていく。創業の理念に戻る必要がある。

立石一馬(オムロン)「最もよく人を幸せにする人が、最もよく幸せになる」(社会、お得意、消費者が優先である。これなくして企業の繁栄もないし、企業の繁栄なくしてお互いの幸せもあり得ない)

 茶道がお茶を通して人間を高め磨くように、経営を通して人間を磨くことができる。経営道。立派な創業者の理念をちゃんと継承すべき。一つ一つの企業が変わることにより、日本という国が変われるかも知れない。

 また、教育には手本、目標となる具体的人物像が必要。二宮金次郎、織田信長、西郷隆盛。そのような人物になれという教育が必要。

 日本を変えるには120年かかる。

鈴木:戦後日本が悪くなったのはGHQのせい。アメリカが怖かったのは、特攻隊であり、それを生み出した天皇崇拝の思想。これを潰そうとした。しかし日本人自身がもっとひどかった。講和条約を結んで独立しても憲法を変えようとしなかった。国を憂える心なし。

武藤:日本をだめにしたのは、偽の和である。明治維新以来2800冊の哲学倫理の本が出版され、そのうち1800冊に目を通した。日本の学問は西洋の奴隷になっているが、西洋文明は行き詰まっている。日本は和の文明。真の和とは何か、それを解明した。日本の哲学倫理を研究している人は、教授になれない。

西村:子供を亡くしたことから密教を勉強しはじめる。今日意識転換が必要。人間の本質は肉体ではなく魂。奪い合いではなく、与え合いで循環する。目で見ているものはほんの一部である。

中野(純):経営層の育成が必要。エリート中のエリートをつくる。エリートの伸びない要素が日本にはある。出る杭は打たれる。異端、技術バカ、企業全体から見ると高い評価されず。しかし今はそういう人が必要。明治維新や松下、井深、盛田の創業はすばらしい。それが2代3代になると、創業の精神が薄れてくる。原点に戻る必要。

ベンチャーの立ち上がりを支援する新しいシステムが必要。欧米では失敗しても、減点はないが、日本は失敗すると、はい上がれない。

大脇:リーダーがいない。エリートは悪という考えは間違い。ゆとり教育はだめ。きちがいのごとくやる気にさせる。基礎知識を学ばせ、読書をさせる。

鈴木:教育基本法は現実に根ざしていない。教育勅語は、はるかに実践的。明治以来道徳を支えた。これに変わるものをどう作るか。

市川:期待される日本人像をどこかの組織が打ち出す必要がある。

鈴木:むしろ二宮金次郎などがいい。見習うべき代表的日本人を何人かあげる。徳は、わかりにくいので、子供にはそれがいい。 生きた人間が生きた人間に伝える組織は強い。松下幸之助氏が亡くなられてからスピリットは落ちている。盛田さんなき後ソニーはどうなるか。

加藤:文化を変えるのは不可能。企業は既存の人間が多いので難しいが、学校は生徒が新しく入るので変えやすい。

市川:国風を変えるのは企業を変えるのが早道。企業を変えるには、創業の理念を浸透させる。

鈴木:ルネッサンスもギリシアに帰る運動だった。原点へ帰れ。

中野(竜馬):イスラム、インド、一神教。インドは混沌。中国はなし。

日本は神仏いっしょで、和の文明。日本から見ればわかりやすい。日本の原点は和。

市川:曼陀羅の中にはたくさんの神が存在。いろんな個性を取り込む思想がある。

密教ではマクロコスモスとミクロコスモスが一体。地球が汚れることは、自分が痛むこと。弁護士はいらない、共生と一体の思想。 大脇:アメリカで勉強して、西洋は発想が違うことがわかった。彼らにとって"存在"とは、全て、個(実体)である。しかし我々は、関係性(場)である。我々は、人間を関係性と見、彼等は個と見ている。個の強調はよい面、悪い面、両面があるが、関係性の視点からも見ないと存在そのものの反面しか見ていないことになる。

伊知地:富津市の新五カ年計画の委員になり議論し、少子化、過疎の問題、魅力的な町づくりに関して議論したが、殆ど反映されなかった。e−Japanにしても、他の町が何をするか見てからと、盛り込もうとしない。こういう町ではだめ。

米田:34年間コンピューターをやってきた。コンピュータの歴史がわかっているひとり。論理性だけでなく感性とか違う要素が入ってきている。日本人はこういう生き方でいいのか。ITの世の中で何を変え、何を変えないのか。

経営者として25年間やってきたが、他人相手ではうまくいくが、友人相手ではうまくいかない。

大脇:世界全体をよくするためには、国際社会に役立つ人間づくりが重要、文部科学省大学の変革が急務

中野(竜馬):官僚に退場願うとき。革命の時期に来ている。

加藤:今はスピードの時代。IBMは2、3年で変えた。日本は遅い。相談して決まらない。

大脇:自民党の審議会、利権でつぶす。強いリーダーシップが必要。

加藤:官僚には人材が多い。石原は使うのがうまい。企業では当たり前。

水谷:生け花を通して多くの人と出会う。お花で人が変化することに気がついた。社会に役立つ実感。